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次の文章を読み,下の略地図を見て,あとの各問に答えよ。
都市には,小さな家屋から超高層建築まで多様な建物が見られ,(1)人々が快適な生活を送るために様々な社会資本が整備されてきた。また,(2)政治の中心としての役割を果たす首都には,新たに建設された都市や,既存の都市に政府機関を設置する例が見られる。
都市への人口集中は,経済を成長させ新たな文化を創造する一方で,(3)交通渋滞などの都市問題を深刻化させ,我が国は多くの国々の都市問題の解決に協力している。
〔問1〕 (1)人々が快適な生活を送るために様々な社会資本が整備されてきた。とあるが,次のア〜エの文は,それぞれの時代の都市の様子について述べたものである。時期の古いものから順に記号を並べよ。
ア |
ドイツ帝国の首都ベルリンでは,ビスマルクの宰相任期中に,工業の発展により人口の流入が起き,上下水道が整備され,世界で初めて路面電車の定期運行が開始された。 |
イ |
イギリスの首都ロンドンでは,冷戦(冷たい戦争)と呼ばれる東西の対立が起き緊張が高まる中で,ジェット旅客機が就航し,翌年,空港に新滑走路が建設された。 |
ウ |
アメリカ合衆国の都市ニューヨークでは,を超える超高層ビルが建設され,フランクリン・ルーズベルト大統領によるニューディール政策の一環で公園建設なども行われた。 |
エ |
オーストリアの首都ウィーンでは,フランス同様に国王が強い政治権力をもつ専制政治(絶対王政)が行われ,マリア・テレジアが住んでいた郊外の宮殿の一角に動物園がつくられた。 |
〔問2〕 (2)政治の中心としての役割を果たす首都には,新たに建設された都市や,既存の都市に政府機関を設置する例が見られる。とあるが,次のⅠのA〜Dは,略地図中のA〜Dの
で示した部分を拡大し,主な都市の位置をア〜ウで示したものである。次のページのⅡの文章は,略地図中のA〜Dの中に首都が位置するいずれかの国とその国の首都の様子について述べたものである。Ⅱの文章で述べているのは,ⅠのA〜Dのうちのどれか,また,首都に当てはまるのは,選択したⅠのA〜Dのア〜ウのうちのどれか。
Ⅰ
A
B
C
D
12
Ⅱ
16世紀にフランスがこの国の東部に進出し,隣国からイギリス人がフランス人の定住地を避けて移住したことで二つの文化圏が形成されたため,立憲君主である国王により文化圏の境界に位置する都市が首都と定められた。首都から約離れイギリス系住民が多い都市は,自動車産業などで隣国との結び付きが見られ,首都から約離れフランス系住民が多い都市は,フランス語のみで示されている道路標識などが見られる。
〔問3〕 (3)交通渋滞などの都市問題を深刻化させ,我が国は多くの国々の都市問題の解決に協力している。とあるが,次のⅠのW〜Zのグラフは,略地図中に
で示したW〜Zのそれぞれの国の,1950年から2015年までの第1位の都市圏と第2位の都市圏の人口の推移を示したものである。Ⅱの文章で述べている国に当てはまるのは,略地図中のW〜Zのうちのどれか。
Ⅰ
Ⅱ
○ |
1949年にオランダから独立し,イスラム教徒が8割を超えるこの国では,第1位の都市圏と第2位の都市圏の人口差は,1950年に100万人を下回っていたが,1990年には人口差は約7倍と急激に拡大しており,その後緩やかな拡大傾向が続いた。 |
○ |
深刻化した交通渋滞や大気汚染などの都市問題を解決するため,日本の技術や運営の支援を受け,都市の中心部と住宅地をつなぐ国内初の地下鉄が2019年に開通した。 |