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植物の花のつくりの観察と,遺伝の規則性を調べる実験について,次の各問に答えよ。
<観察>を行ったところ,<結果1>のようになった。
<観察>
(1) |
メンデルの実験で用いられた品種と同じエンドウを校庭で育てた。 |
(2) |
(1)から花を1個採取後,分解しセロハンテープに並べて貼り付けた。 |
(3) |
(1)からさらに花をもう1個採取後,花の内側にある花弁が2枚合わさるように重なっている部分(図1の点線)をカッターナイフで切り,断面を観察して,スケッチした。 |
図1
<結果1>
(1) |
<観察>の(2)から,図2のようにエンドウの花弁は5枚あり,その1枚1枚が離れていた。 |
図2
(2) |
<観察>の(3)から,図3のように,おしべとめしべは内側の2枚の花弁で包まれていた。また,子房の中には,胚珠が見られた。 |
図3
次に,<実験>を行ったところ,<結果2>のようになった。
<実験>
(1) |
校庭で育てたエンドウには,草たけ(茎の長さ)の高い個体と低い個体がそれぞれあった。 |
(2) |
草たけが高い個体を1本選び,エンドウが自家受粉し,受精後にできた種子を採取した。 |
(3) |
草たけが低い個体を1本選び,エンドウが自家受粉し,受精後にできた種子を採取した。 |
(4) |
(2)で採取した種子をまいて育て,成長したエンドウの草たけを調べた。 |
(5) |
(3)で採取した種子をまいて育て,成長したエンドウの草たけを調べた。 |
(6) |
(4)で調べたエンドウの花で,花粉がつくられる前に,やくを全て取り除いた。 |
(7) |
(6)のエンドウの花の柱頭に,(5)で調べたエンドウの花のやくから採取した花粉を付け,受精した後にできた種子を採取した。 |
(8) |
(7)で採取した種子をまいて育て,成長したエンドウの草たけを調べた。 |
<結果2>
(1) |
<実験>の(4)から,全て草たけの高い個体(図4のP)であった。 |
(2) |
<実験>の(5)から,全て草たけの低い個体(図4のQ)であった。 |
(3) |
<実験>の(8)から,全て草たけの高い個体(図4のR)であった。 |
図4
8
〔問1〕 <結果1>の(1)の花のつくりをもつ植物の子葉の枚数と,<結果1>の(2)のように胚珠が子房の中にある植物のなかまの名称とを組み合わせたものとして適切なのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
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子葉の数 |
胚珠が子房の中にある 植物のなかまの名称 |
ア |
1枚 |
被子植物 |
イ |
1枚 |
裸子植物 |
ウ |
2枚 |
被子植物 |
エ |
2枚 |
裸子植物 |
〔問2〕 <実験>の(7)では,花粉から花粉管が伸長し,その中を移動する生殖細胞1個の染色体数は7本である。花粉管の中を移動する生殖細胞のうち1個と合体する細胞と,受精卵1個に含まれる染色体数とを組み合わせたものとして適切なのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
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花粉管の中を移動する 生殖細胞のうち 1個と合体する細胞 |
受精卵1個に含まれる 染色体数 |
ア |
卵 |
7本 |
イ |
卵 |
14本 |
ウ |
卵細胞 |
7本 |
エ |
卵細胞 |
14本 |
〔問3〕 <結果2>の(3)の個体で,花粉がつくられる前にやくを全て取り除き,柱頭に<結果2>の(2)の個体のやくから採取した花粉を付け受精させ,種子を採取した。その種子をまいて育て,成長したエンドウの草たけを調べたときの結果として適切なのは,次のうちではどれか。
ア |
草たけの高い個体数と草たけの低い個体数のおよその比は1:1であった。 |
イ |
草たけの高い個体数と草たけの低い個体数のおよその比は1:3であった。 |
ウ |
全て草たけの高い個体であった。 |
エ |
全て草たけの低い個体であった。 |
〔問4〕 メンデルが行ったエンドウの種子の形の遺伝に関する実験では,顕性形質の丸形と,潜性形質のしわ形があることが分かった。遺伝子の組み合わせが分からない丸形の種子を2個まき,育てた個体どうしをかけ合わせる<モデル実験の結果>から,<考察>をまとめた。
ただし,エンドウの種子が丸形になる遺伝子をA,しわ形になる遺伝子をaとし,子や孫の代で得られた種子は,遺伝の規則性のとおりに現れるものとする。
<モデル実験の結果>
(1) |
親の代で,遺伝子の組み合わせが分からない丸形の種子を2個まき,育てた個体どうしをかけ合わせたところ,子の代では丸形の種子だけが得られた。 |
(2) |
子の代として得られた丸形の種子を全てまき,育てた個体をそれぞれ自家受粉させたところ,孫の代として,丸形の種子だけが得られた個体と丸形・しわ形の種子が得られた個体の両方があった。 |
<考察>
<モデル実験の結果>の(1)で,子の代として得られた丸形の種子の遺伝子の組み合わせは,<モデル実験の結果>の(2)から,2種類あることが分かる。このことから,親の代としてまいた2個の丸形の種子の遺伝子の組み合わせを示すと であることが分かる。
<考察>の に当てはまるものとして適切なのは,下のア〜ウのうちではどれか。
ア AAとAA イ AaとAa ウ AAとAa