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生徒が,国際宇宙ステーションに興味をもち,科学的に探究しようと考え,自由研究に取り組んだ。生徒が書いたレポートの一部を読み,次の各問に答えよ。
<レポート1> 日食について
金環日食が観察された日の地球にできた月の影を,国際宇宙ステーションから撮影した画像が紹介されていた。
日食が生じるときの北極星側から見た太陽,月,地球の位置関係を模式的に示すと,図1のようになっていた。さらに,日本にある観測地点Aは,地球と月と太陽を一直線に結んだ線上に位置していた。
図1
〔問1〕 <レポート1>から,図1の位置関係において,観測地点Aで月を観測したときに月が真南の空に位置する時刻と,この日から1週間後に観察できる月の見え方に最も近いものとを組み合わせたものとして適切なのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
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真南の空に 位置する時刻 |
1週間後に観察できる 月の見え方 |
ア |
12時 |
上弦の月 |
イ |
18時 |
上弦の月 |
ウ |
12時 |
下弦の月 |
エ |
18時 |
下弦の月 |
<レポート2> 国際宇宙ステーションでの飲料水の精製について
国際宇宙ステーション内の生活環境に関して調べたところ,2018年では,生活排水をタンクに一時的にため,蒸留や殺菌を行うことできれいな水にしていたことが紹介されていた。
蒸留により液体をきれいな水にすることに興味をもち,液体の混合物から水を分離するモデル実験を行った。図2のように,塩化ナトリウムを精製水(蒸留水)に溶かしての塩化ナトリウム水溶液を作り,実験装置で蒸留した。蒸留して出てきた液体が試験管に約たまったところで蒸留を止めた。枝付きフラスコに残った水溶液Aと蒸留して出てきた液体Bをそれぞれ少量とり,蒸発させて観察し,結果を表1にまとめた。
表1
蒸発させた液体 |
観察した結果 |
水溶液A |
結晶が見られた。 |
液体B |
結晶が見られなかった。 |
図2
〔問2〕 <レポート2>から,結晶になった物質の分類と,水溶液Aの濃度について述べたものとを組み合わせたものとして適切なのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
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結晶になった物質の分類 |
水溶液Aの濃度 |
ア |
混合物 |
より高い。 |
イ |
化合物 |
より高い。 |
ウ |
混合物 |
より低い。 |
エ |
化合物 |
より低い。 |
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<レポート3> 国際宇宙ステーションでの植物の栽培について
国際宇宙ステーションでは,宇宙でも効率よく成長する植物を探すため,図3のような装置の中で植物を発芽させ,実験を行っていることが紹介されていた。植物が光に向かって成長することから,装置の上側に光源を設置してあることが分かった。
植物の成長に興味をもち,植物を真上から観察すると,上下にある葉が互いに重ならないようにつき,成長していくことが分かった。
図3
〔問3〕 <レポート3>から,上下にある葉が互いに重ならないようにつく利点と,葉で光合成でつくられた養分(栄養分)が通る管の名称とを組み合わせたものとして適切なのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
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上下にある葉が互いに 重ならないようにつく利点 |
光合成で作られた 養分(栄養分)が通る 管の名称 |
ア |
光が当たる面積が小さくなる。 |
道管 |
イ |
光が当たる面積が小さくなる。 |
師管 |
ウ |
光が当たる面積が大きくなる。 |
道管 |
エ |
光が当たる面積が大きくなる。 |
師管 |
<レポート4> 月面での質量と重さの関係について
国際宇宙ステーション内では,見かけ上,物体に重力が働かない状態になるため,てんびんや地球上で使っている体重計では質量を測定できない。そのため,宇宙飛行士は質量を測る際に特別な装置で行っていることが紹介されていた。
地球上でなくても質量が測定できることに興味をもち調べたところ,重力が変化しても物体そのものの量は,地球上と変わらないということが分かった。
また,重力の大きさは場所によって変わり,月面では同じ質量の物体に働く重力の大きさが地球上と比べて約分のであることも分かった。
図4のような測定を月面で行った場合,質量の物体Aを上皿てんびんに載せたときにつり合う分銅の種類と,物体Aをはかりに載せたときの目盛りの値について考えた。
図4
〔問4〕 <レポート4>から,図4のような測定を月面で行った場合,質量の物体Aを上皿てんびんに載せたときにつり合う分銅の種類と,物体Aをはかりに載せたときの目盛りの値とを組み合わせたものとして適切なのは,次の表のア〜エのうちではどれか。
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上皿てんびんに載せたときに つり合う分銅の種類 |
はかりに載せたときの 目盛りの値 |
ア |
の分銅 |
約 |
イ |
の分銅 |
約 |
ウ |
の分銅 |
約 |
エ |
の分銅 |
約 |